音サイン(サイン音)とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

東京都メトロ地下鉄線のうち、全線ワンマン運転をしている丸ノ内線・南北線・副都心線では次のような車内アナウンスが流されます。

「ワンマン運転のお知らせです。○○線は、ワンマン運転を行っております。発車サイン音が鳴り終わりますとドアが閉まります。ご乗車の際には、お手回り品を車両のドアに挟まれないよう、お荷物は前に抱えてご乗車くださるようお願いいたします。」

このように「サイン音」「音サイン」という言葉を耳にするようになりましたが、まだまだ日常生活とはかけ離れた専門用語のように感じているのではないでしょうか。

公益社団法人日本サインデザイン協会(SDA)のサイトでは、「音サイン」を次のように説明しています。


音サインとは、短いメロディや電子音によって、特定の行動や意味を、言葉ではなく音に置き換えることによって、場所や方向などの情報を伝えるための音のことです。

地下鉄の車内アナウンスからだと、「サイン音=発車ベルや発車メロディー」のようにとらえている方もいるかもしれません。しかし、SDAの定義から、電子レンジをはじめとする家電機器の報知音、自動車のクラクションや車内警報音、列車の発車メロディーや音響信号機まで、生活に溶け込んだ大小さまざまな音が対象とされていることが分かります。ちなみに、「サイン音」と「音サイン」は同じ用語で、2009年からSDAでは「音サイン」を呼称として提案しています。

日常生活に深く浸透してあらゆる場面で耳にしている音サインなのですが、その重要さがあまり意識されていないのが実情です。今では非常に重要視されるようになっているチラシから電光掲示板までを含むビジュアルデザインも、少し前まではデザイナーやイラストレイターの好みや感覚に委されていました。その意味で、音サインはまだ発展途上にあるのかもしれません。

【参考】
調査研究事業 | 公益社団法人日本サインデザイン協会(SDA)