防音とは

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普通に使われる『防音」という言葉ですが、どういう意味かをあらためて考えてみましょう。

防音室、防音壁、防音材、探してみると「防音」のつく言葉がわりとあることに気づきます。防音製の高いことをウリにしている住宅があったり、自分で設置できる防音室が売られていたりします。

しかし、「防音」は専門用語ではありません。辞書を引くとすぐにわかるのですが、防音とは「遮音」と「吸音」を合わせた総称のような言葉です。

普通に防音と言われるときは、たいてい遮音のことを指しています。言い換えると、防音という言葉で遮音が意識されていても、あまり吸音は意識されていません。

例えば、防音室は室内の音が外に漏れないように、同時に外の音が室内に入ってこないように工夫された部屋です。また、防音壁は、大きな音が壁の反対側で聞こえないようにするものです。

では、吸音がそれほど必要ないかというと、決してそんなことはありません。特に、防音室のような閉鎖された空間では、機密性が高いほど吸音がとても重要です。

かなり前のことですが、機密性の高い住宅が防音の問題を抱えているとしてテレビで取り上げられたことがあります。機密性が高いからこそ「防音」で静かな空間を1つのウリとしていた住宅らしいのですが、入居者から生活音が酷く気になるという苦情が多く出たそうです。

扉の開け閉めの音、冷蔵庫のファンの回る音、人の歩き回る音、以前に住んでいた家では気にならなかった音がとことん気になるという声が寄せられたそうです。その中でも特に不快な音として、キッチンの換気扇が回る音が取り上げられていました。

もしかしたら今でも起こりがちな問題なのかもしれませんが、このような不快と感じる音空間は、吸音があまり考えられていないからこそ出てきてしまうのです。機密性の高い閉鎖空間であるほど、その中で起こる反射音を減らす「吸音」の工夫が必要です。

【参考】
防音(ボウオン)とは – コトバンク